LX7 2回目 |
めんどくさい話で申し訳ないが、もう少しおつきあい願いたい。
ここで無理矢理比較してみよう。Panasonic LX7 vs Canon EOS 6D + 24-105mmF4である。繰り返すがこの比較は無理矢理だ。比較する方がどうかと思う、というのが正しいと思うが、それをあえて無理矢理比較してみる。
LX7が24-90mm相当でF1.4-2.3である。どのレンズで比較するかでだいぶ違うのだが、24-70mmF2.8か24-105mmF4かなということで、差を目立たせる意味で24-105mmF4を選んでみた。ぼけは当然ながらEOS 6Dの方が大きい。これはあえて比較しない。それから単焦点レンズをそろえればEOSも明るいレンズがそろっているから6Dの圧勝なのだが、ここはレンズ1本として、標準ズームだけで考えた。
まずLX7だが、ISO感度は80-3200で、拡張すると12800まであがる。EOS 6Dは100から25600までで、拡張すると(50も設定できるが)102400まで増感できる。LX7のISO80とEOS 6Dの100や200が同じ画質なのかどうか、まあいろいろと言いたい人もいらっしゃると思うが、1/1.7型の撮像素子でも、低い感度の場合は「一般大衆向けには十分な画質がある」と考えている。差はあるとしても、一般向けには十分な範囲に収まっていると判断している。でもって、差のある24mm相当のところで比較してみると、LX7のF1.4に対して24-105mmはF4である。F1.4、2.0、2.8、4.0と3段分の違いがある。仮に、EOS6Dが拡張無しの最高感度25600で撮影するような条件の場合、LX7であれば3200で撮影できるわけだ。おそらくLX7の3200より6Dの25600の方が画質は良さそうに思われるが、これは相当に暗い条件である。一般的に蛍光灯で照明された室内であれば、F1.4ならISO400から800程度で1/60秒くらいのシャッタースピードは確保できるはず。まあまあ照明されている室内であれば、LX7はストロボ無しでも撮影できるわけだ。
で、大切なのはここからで、F1.4のレンズによって室内でも十分に使える画質が得られるとしたら、そこに必用な投資額と重量はどれほどになるのだろうか。
LX7 24-90mmF1.4-2.3
XZ-2 28-112mmF1.8-2.5
G15 28-140mmF1.8-2.8
P7700 28-200mmF2.0-4.0
こうやって比べてみるとおもしろい。それぞれに個性が出ているが、これらの高級コンパクトは、大きな一眼レフを使わなくても、明るいレンズによって低い感度で撮影できるため、手軽に、低価格で、高画質を、一般のスナップに提供してくれるカメラなのだ。
もちろんEOS 6Dも良いカメラだし、なによりぼけるし、多彩な交換レンズが使えるし、良いところはたくさんあるのだが、お金を別にしても、気軽に持ち歩いていつでも撮りたいと思うニーズには、ちょっとばかり重たいかもしれない。なのでこれらの高級コンパクトは、捨てがたい魅力なのである。その中でもLX7は、24mmと広角よりのレンズを持ち、そしてF1.4ともっとも明るいレンズを備えている。そして価格.comの情報で見ると、これらの中では最も低い価格で販売されている。液晶は動かないものの、なかなか魅力的ではないか。
EOS6D+24-105mmF4は、今日現在の価格.com情報で、264,969円。重さは1,425gになる。それに対してLX7は44,101円。298gである。あくまでも部分的な、一面的な比較ではあるけれど、LX7で十分カバーできる範囲は広く、なおかつこの軽さを活かせば、一眼レフでは撮れない写真が撮れることもある。弱ったな。こうやって書いていると、だんだん欲しくなってきてしまうではないか。困ったものだ。
もう一つLX7で注目したいのは、メカシャッターで秒11コマを達成していると言うこと。最近は秒60コマなどの撮影ができるカメラがいろいろと出てきているが、どれも電子シャッターである。LX7も電子シャッターなら秒60コマの撮影が可能だが、電子シャッターでは、高速で移動する被写体や、激しくカメラを振って流し撮りなどを行う場合、像がゆがむ場合がある。連写するのは動いている被写体だから、困る問題なのだ。動画であればあまり気にならないことも多いが、静止画の場合は露骨にゆがみがわかってしまう。これはCMOSの特徴的現象なのだが、メカシャッターであれば余分な気を遣う必要が無く連写を使える。フイルムカメラと同じと考えて良い。先ほどのEOS 6Dの場合だと秒4.5コマ。最高級機のEOS 1DXですら、超高速撮影で秒14コマ(画期的)。値段と大きさを考えれば、LX7の秒11コマはすごいことなのだ。24-90mmとあまり望遠ではないため、一般的なスポーツ向きではない。またこの11コマはフォーカス固定の場合で、連続してフォーカスしていく場合は約5コマである。そのかわり撮像素子が1/1.7型なので、35mmサイズの撮像素子を搭載する1DXなどより遙かに被写界深度が深い。ピントを固定して追いかけたとしても、カバーできる範囲が広いのだ。本格的スポーツ撮影向きではないが、子供や犬が走り回るところを、一緒に走り回りながら連写する、ような目的には好都合だ。まさに軽いからこそできる撮影でもある。
連写。使ってみると、とても楽しく便利で有意義な機能なのだが、連写の話はまた明日。