Nikon D5200 |
これは、どこの層を狙って開発したものなのだろうねぇ。
まあ当然既存ユーザーがいて、買い換え需要がある。特にニコンは根強いファンがいるので、何はともあれニコンで何か、という人は少なくない。従ってその人たちに新しいカメラを提供していくことは大切だし、ニコンの義務でもあるだろうし、まだまだ商売として成り立つだろう。
ただし、確実にじり貧になる。
D4からD5へと続く路線は、まだまだ重要だが、正直言ってプロニーズは減ると思っている。それはスーパースローのハイビジョンから4Kハイビジョン、さらにその上へと動画が進化していくからで、キヤノンはそちらの開発を進めている。光学ファインダーと超望遠レンズの魅力は衰えないが、プロのニーズとしては動画にかなわないだろう。アマチュアでD5が欲しいと思う人も大勢いると思うが、はっきり言ってその層は高齢化が進んでいる。高齢化が進む中で、プロのニーズが減っていったときに、出すと思うけれど(F6だって出したくらいなのだから)、ひょっとするとD5はこの路線のラストになる可能性もある。それに置き換わるのがD800の路線で、これはアマチュアニーズを中心にしてまだ残るだろう。
それではその下のクラスはどうなるのか。一番下のクラスは、つまりD3200などのクラスは、ミラーレスに押されて伸びは期待できないだろう。このクラスは見切りつけた方がよい。となるとその中間の、D5200やD7000のクラスが、果たしてどうなるのだろうか。D5100からの買い換えには弱いし、D3200クラスの人が果たしてここへステップアップするのかというと、それもなんだか中途半端な気がする。となるとD5000からの買い換えか、初めて買うニーズを拾いに行くのかなのだけれども、どうなのかなぁと思ってしまう。
D5100と比べて何が良くなったのか。連写が秒5コマになってAFのトラッキングが向上して、それはそれでよいのだけれど、本格的にスポーツなどを連写しようと思うと秒5コマは最低レベル。画素数は増えたけれど感度は上がっていない。F5.6のセットズームでスポーツを撮るには、特に体育館の中やナイターでの試合を撮るには、ISO25600だってまだ不足だ。
Nikon1で電子シャッターだけれど秒60コマとか、たぶんローリングひずみのことなど考えずに60コマにつられて買う人が多いと思う。マウントアダプターでAF-Sレンズをつければ2.7倍になるからスポーツ向きだし、2.7倍になるなら70-200mmF2.8や、(どこまでAFが対応しているのか未確認だけれど)シグマの50-150mmF2.8などもある。
しかもハイビジョン動画が撮影できて(D5200もできるが)、そこから静止画で切り出せばL判プリントや携帯で見たりブログに載せたりするには十分だとするならば、D5200のターゲット層って、どこなのかなと思わないでもない。
D3000クラスがミラーレスに置き換わり、代わりに初級入門層を取り込もうと考えるならば、D3000クラスと同等の低価格化が必用だろう。そこの見えない景気の低迷。抜け出せる見込みもなく、一部のリッチに少数でも売って利益を稼ぐには安すぎ、入門機の置き換えには高い。
さて、D5200よどこへゆく。ニコンはどこへ行く。難しいなぁ。