Tamron 14-150mm F3.5-5.8 Di III VC マイクロフォーサーズ |
ソニーが大株主のタムロンは、フォーサーズにもマイクロフォーサーズにも対応レンズを発売してこなかったのだが、オリンパスがソニーと提携したことにより、とうとうマイクロフォーサーズ対応のレンズを発売することになった。
でもこの高倍率ズームって、どうなのかなと思う。今タムロンで売れているのは高倍率ズームだろう。圧倒的に高倍率なのかもしれない。しかしニコンやキヤノンのユーザー層と違い、マイクロの場合もこの手のレンズはすでに持っている人が多いのではないだろうか。
オリンパスにも14-150mmF4.0-5.6がある。0.48倍相当のテレマクロも出来る。パナソニックは高速AFの14-140mmF4.0-5.8がある。そこへ似たり寄ったりのレンズを投入するわけだ。だいたいにおいては、オリンパスサイズの小型軽量レンズに、手ぶれ補正機構入れて、オリンパスのボディでも手ぶれ補正を使いながら高速連写が出来るということになる。
かつてシグマがフォーサーズに参入したとき、標準ズームばかり投入して、1年以内にすべてのレンズをフォーサーズ対応にするとぶち上げたものの、その後鳴かず飛ばずで消えていった。当時のフォーサーズで、標準ズームを持っていないユーザーなどまずいなかったし、そこへシグマが標準ズームを出しても、誰が買うのかと思っていたら、やっぱり誰も買わなかったようだ。
まあ今回の場合は、当時のフォーサーズと違ってマイクロはミラーレスの中で50%のシェアがある。既存のユーザーにはそれほど浸透しなくても、これからマイクロのミラーレスを買う人は大勢いるだろうし、そこへセットで買ってもらえればよいという思惑なのかなと思う。まあそれはそれでよいのだけれど、既存のマイクロフォーサーズユーザーとしては、タムロンの持っているオリンパスやパナソニックにないレンズを出して欲しいというのが、多数派だろうと思う。
タムロンの場合、フイルム・デジタル兼用のDiシリーズ。APS-C用のDiⅡシリーズ、ミラーレスス用のDiⅢと分かれており、DiⅢはいまのところこのレンズしかラインナップされていない。ミラーレスで中心となるコントラスト検出式AFに対応するには、単純にマウントを変えればよいと言うだけではないと思うのだが、やっぱり魅力のあるレンズを出して欲しいなと思う。はっきり言えば、タムロンなら60mmF2、90mmF2.8、180mmF3.5のマクロレンズだ。オリンパスやパナソニックも積極的に単焦点を投入しつつあるし、シグマも単焦点をそろえてきている。その中でタムロンはマクロしか無いというのは残念ではあるが、でも良いマクロレンズだ。以前は植物園で見かけるレンズと言えば圧倒的にタムロンの90mmだったのだが、最近は180mmF3.5もよく見かける。手ぶれ補正機構が優秀になってきたり、あるいは800くらいまでなら増感しても良い程度に高感度性能が上がり、早いシャッターを切っている人が増えたのかもしれない。いずれにしても、植物園で見かけるレンズとしては、タムロンマクロのシェアはなかなかのものだ。
シグマが150mmマクロのフォーサーズ対応を出したときも、そこそこ売れたのではないだろうか。もちろんユーザーの絶対数が違うので、ニコンやキヤノンのマウントとは比較にならないだろうが、フォーサーズとしてはそれなりに受け入れられて売れたと思う。
あと200-500mmF5-6.3だ。F6.3は暗いが、500mmであればゆるされる。APS-Cに対応したところで750mmだが、マイクロフォーサーズなら1000mmになるわけで、これは十分魅力的だ。このあたりのレンズの対応を期待したいと思っている。