2013回顧、ペンタックス・リコー |
軒を貸して母屋を取られたと言うべきか、軒を貸してなければ母屋がつぶれていたともいえるペンタックス・リコー。会社としてはリコー・イメージングでも、まるで別ブランドのように進んでいるので、それぞれ分けて考えてみたいと思います。まずはペンタックス。
K-3、K-50と2機種の一眼レフと、Q7という新しいシリーズのレンズ交換式ミラーレス路線をはじめました。始めたと言っても、従来からのQ10などのレンズがそのまま使えるので、ボディだけ出したという見方も出来ましょう。
ペンタックスの一眼レフは、割に好きな方ではあります。最新機能という点では弱いのですけれども、出来ることは何でも入れようという盛りだくさんな姿勢が、お得な感じがするのです。使いたい機能が一つはいっていないより、使わない機能が十入っている方がずっとよいわけです。盛りだくさんすぎてうざいところもないではないが、使いたい機能が一つ入っていないよりはずっと良いのです。大抵の人が撮るであろう大概の物は、それほど最新機能を必用とするわけではない。なので十分ではあるのだけれども、最新売り筋のミラーレスがないのがメーカーとしての弱点。1型、4/3型、APS-Cと、このあたりのミラーレス機がないのは何とも痛い。K-01というのがあると言っても、無いに等しい。Kマウントで作るならミラーレスにする意味は全くないので、なぜKにしたのかは全く持って不可思議。代わりに出したのがQだったわけですが、今度は小さすぎた。1/2.3型センサーでは画質もそれなりだし、魅力に欠けていたと言わざるを得ないのです。そしてやっと出てきたのが1/1.7型センサーのQ7だったわけで、それはそれで良かったと思うのですが、デジカメ不振のあおりを食らってしまったのかな。
元々コンパクトには弱かったのですが、どこかから供給を受けたのか、MX-1という1/1.7型のハイエンド機を出してきた。その割にプロモーション的に弱いようには思うのだけれど、これからやるのはこの路線だろうし、これはまずまずかなと思う。
総じていえるのは、悪くはなかったけれども、クリーンヒットは打てなかったなという感じ。芯を外しているわけだ。そこへ逆風を食らってしまうと、ポテンヒットで出塁はしても、塁を埋めてホームに帰すところまでは出来なかったなと言うところ。
来年に向けては、ずっと以前から35mmサイズセンサー機の噂はあるが、やめた方が良いだろう。今のペンタックス・リコーにそれほどの体力があるとは思えない。さらに大きな645Dもあるのだし、出すなら645Dの改良型だ。35mmサイズをだしたら、大きな負担になって致命傷になりかねないと思う。
K-01はすっぱりと切り捨てる。切り捨ててもKマウントなのだから、買ったユーザーが困ることはない。そしてEマウントかm4/3に乗っかって、売れ筋路線のミラーレスに参加することだろう。それがリスク最小限の方法だと思うからだ。でなければ、Kマウントのままで、フランジを20mm程度に縮めたミラーレス機を出す。中間リングを使えばOKという形なら出来るだろう。ただそれでも専用レンズを出してしまうと、やめられなくなってしまうし、専用レンズを出さなければミラーレスにする意味も無い。その点Eやm4/3に乗っかれば、初期に大きな投資をしなくても、他社のレンズやアクセサリーでまかなうことが出来る。順次充実させてゆけばよいし、万が一撤退するにしても他社のレンズやボディが使えるわけだから、ユーザー切り捨て感は少なくてすむ。
Q7の路線も良いと思うが、それだけでは屋台骨は支えられないだろう。もちろん一眼レフもだ。
従って今後の路線は、645Dと、Eかm4/3のミラーレスと、Q7と、高級コンパクトと言うことになり、その間にAPS-Cクラスの一眼レフが混じってくる。と言うやり方がよいのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
一方のリコーですが、交換式のGXRは2009年の発売ボディのまま。もう終わりですね。これはこのまま、そっと消えてゆくしかないのでしょう。比較的元気の良かったGR-Dから、APS-CコンパクトのGRに変えたわけですが、価格の高さやよれないところなどの問題もあってか、今ひとつのように思えます。
まあ将来的には良い路線だと思うので、ここに力を入れていくべきかなと思います。GRにこだわらずに。APS-Cクラスコンパクトはズーム付きでしょうね。単焦点路線はGR-DⅤで追求して行くのがよろしいかと。
そして注目はTHETAです。やや高いと言われることもありますが、4万円ですから、一般的なコンパクトの上位機種が4~5万で発売されることを思えば、さほどでもありません。ただ、アンドロイドアプリや、一般PC環境での使い勝手などに問題があって伸び悩むところもあるようですが、周辺の充実次第でノビ白は大きいと思います。ここは力を入れても良いのかなと思います。
と言うことで、リコーブランドはペンタブランドにないAPS-Cクラスコンパクトと、THETA路線で進めればよいでしょう。
と思うのですが、実際にはどうなりますか。