LYTRO ILLUM(ライトロイルム)
後からピント合わせができると話題のカメラが日本でも発売に。
30mm~250mm相当のF2のレンズ搭載。後から被写界深度の変更ができるので、絞りが無くて常に開放での撮影。
ただ、さすがに250mmF2のレンズで至近から無限までの被写界深度は確保できないらしく、後からピントの変更はできるが、特定の範囲に限られるようだ。広角側ならば、かなりの範囲でカバーはできそうだ。
1kgもある大きなカメラで、価格も20万もする。そのためプロ写真家やアーティスト、クリエーター、ハイアマチュアがメインターゲットだというのだが、どうなのだろう。
デザイナーには便利だと思う。写真は素材であり、そこからの加工が彼らの仕事。自由にピント位置を変更できるのは便利に違いない。報道目的にも便利だと思う。ジャスピンで無くても、後で救える可能性も大きい。しかし、一般的に、アートな写真を目指す、プロにしてもアマチュアにしても写真家にとっては、果たしてこれ、望ましいことなのかどうかは疑問な気がする。アメリカを中心として世界の多くの地域では、レンズの味よりレタッチの腕を競うのが写真の潮流となりつつある。そういう発想の元から作られたカメラとしてはすばらしいが、レンズの味にこだわる私にとっては、興味深くはあるが、はまりはしないかなと思う。
まあこの先、訂正しないとは言えないけれども、現段階ではそんな気がする。
なのでメインターゲットは、デザイナーや報道関係、ではないかなと思うのだけれど。
最高感度が3200と言うことなので、実際に 3200でどこまでの画質が確保されているのか、まあ報道なら許されるにしても、一般的な写真ニーズでの評価となると、多くの場合最高感度の1/4から1/8くらいが許容範囲だとされることが多い。そこから推定すると、400~800くらいが、一般的には使える感度だとされそうな気がする。ただ、暗いところで開放で撮影しても、後から被写界深度を深めて、暗いところでも絞って撮ったかのような写真は撮れる可能性がありそうだ。